《完》オフィスでとびきりの夜を
「……すごく優秀だと
思いましたよ。

飲み込み早いし、要領がいいし。

研修っていっても、あっと
いう間に終わっちゃいました」



それを聞くと、課長は
楽しそうに唇の端をあげた。



「ふぅん、やっぱりね。

逸材だなんて買いかぶり
かもと思ってたけど、
私の方が間違いだったわ」



「え?」



どういうこと?



ロコツに疑問の声をあげ
ちゃったけど、課長は特に
気にする様子もなく
サラリと答えてくれた。



「ここに配属される前の話よ。

瑞樹はホラ、有名じゃない。

でも私は会ったことも
なかったから、正直顔が
いいからもてはやされてる
だけかと思ってたのよね」
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