《完》オフィスでとびきりの夜を
「あぁ…………」



その気持ちは何となく
わからないでもない。



顔がよくて仕事もできる
パーフェクトボーイ――
なんて、普通そうそう
いるもんじゃないし。



でも、



「彼はホントの逸材だった
……ってことですか?」



尋ねると、課長は
意味ありげに目を細めた。



含むような笑いをその頬に
浮かべて、



「どうかしらね。

私もまだそこまではわから
ないけど……今回の企画で
きっとハッキリするんじゃ
ないかしら」



「え―――…」



短い声を出したあたしを、
課長は鏡越しでなく直接
横を向いて見てきた。



つられるように隣を向いた
あたしに、課長はニッコリ
と笑って、
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