《完》オフィスでとびきりの夜を
課長はあたしの目を見た
ままクスリと苦笑して、
最後にこう言った。



「まぁ要するに、瑞樹が
成功するためには周りの
助けも必要だってことよ。

だから莉央も協力してあげて」



「課長………」



課長の言葉には端々に
瑞樹への優しさっていうか
好意っていうか……

とにかくそんな暖かさが
見え隠れしてた。



あたしはそれに鈍く心が
うずくのを感じる。



素直に『はい』という気に
なれなくて、気づくと全く
違う言葉が口から出てた。



「課長は……ずいぶん瑞樹
クンのことをかってるんですね」



その切り返しが意外だった
のか、課長は少しだけ目を
丸くする。
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