《完》オフィスでとびきりの夜を
呆然としてるあたしの
隣で、課長は最後にもう
一度鏡を覗き込んだ。



全身をサッとチェック
するとチラッとあたしに
目を向けて、



「さて、あんまりここで
休憩してるわけにも
いかないわね。

それじゃ、お先に」



そう言うと緩くウェーブの
かかった髪をなびかせて、
手を振りつつミラー
ルームを出ていく。



……あたしはその後ろ姿を
呆然と見つめたまま、
しばらくそこから動けなかった。





     ☆☆☆☆☆



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