《完》オフィスでとびきりの夜を
瑞樹がちょっと強張った
声でもらすと圭輔は
ハハッと笑って、



「柳瀬クンが素人なのは
承知の上だから、別に
あそこまでうまくやれとは
言わないよ。

まぁその辺りはこっちで
フォローするから、
心配しないでいいさ」



「アハハ……すいません」



「気にしない気にしない。

てゆーか被写体の良さを
引き出すのもカメラマンの
仕事だから。

キミはホント難しいことは
考えないで、リラックス
してくれてる方がいいかな」



「……そーですね。

わかりました!」



不安をふっ切るように
答えた瑞樹に、圭輔は
ウンウンと頷いた。



とその時、撮影スタッフの
『30分休憩入りまーす!』
という声がこっちまで
届いてくる。
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