《完》オフィスでとびきりの夜を
やる気と真剣さが見てる
だけで伝わってくる。



頑張ってるな。


改めて、そう思った。




――そのうち一通り紹介も
終わると、瑞樹は何人かと
何やら話し込み始める。



話してる相手は手にブラシ
とかメイク道具らしき物を
持ってて、『よければ
試しに』なんて言ってる
声がかすかに聞こえてきた。



(もしかしてメイクさんに
つかまったのかな……)



撮影時は瑞樹もメイクとか
するわけだし。



まぁ見た感じ、瑞樹の
イケメンぶりがメイクの
お姉様方の職業意欲に火を
つけちゃっただけっぽいけど。



大丈夫かな――なんて
思いながら見てたら、
瑞樹を囲む輪から人影が
一人抜け出てこっちに
向かってくる。

……圭輔だ。
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