《完》オフィスでとびきりの夜を
(瑞樹………)
駅を出て会社に戻る道を
歩きながら、祈るような
思いで瑞樹を見つめてたら。
偶然か、あたしの視線に
気づいたのか――少し前を
歩く瑞樹がふいにあたしを
見て、しっかりと目が合った。
「あ…………」
瑞樹があたしを見てる。
今のうちに、何か言わなきゃ。
とっさにそう思って口を
開くけど――でも、思いを
伝えるスムーズな言葉が
出てこない。
(早く……早く、
言わなきゃ……!)
「あ、あのっ。
――け、圭輔のことは――…!」
やっとの思いで出した声。
そして数週間ぶりに、仕事
仲間としてじゃなくただの
あたしとして瑞樹に向けた声。
駅を出て会社に戻る道を
歩きながら、祈るような
思いで瑞樹を見つめてたら。
偶然か、あたしの視線に
気づいたのか――少し前を
歩く瑞樹がふいにあたしを
見て、しっかりと目が合った。
「あ…………」
瑞樹があたしを見てる。
今のうちに、何か言わなきゃ。
とっさにそう思って口を
開くけど――でも、思いを
伝えるスムーズな言葉が
出てこない。
(早く……早く、
言わなきゃ……!)
「あ、あのっ。
――け、圭輔のことは――…!」
やっとの思いで出した声。
そして数週間ぶりに、仕事
仲間としてじゃなくただの
あたしとして瑞樹に向けた声。