《完》オフィスでとびきりの夜を
「美人って、おだてすぎ。

あたしそんなに変わってないよ」



「そんなことないって。

ったく、こんないい女を
ケンカなんかして泣かせ
てんのは、どこの大バカ男だ?

何ならオレが盗っちまうぜ
って言ってやるか」



「プッ……
もう、何言ってんの!」



大バカ男どころか、実は
明日キミが撮影する
超イケメン君だよ。


それに――…。



「バカはきっと、
あたしの方なの。

彼の心が見えなくて、不安で。

あたしがダメダメだから……」



「ん? それがケンカの
理由なのか?」



「ケンカの理由っていうか
……仲直りできない理由、かな。

アハハ……情けないよね」
< 185 / 276 >

この作品をシェア

pagetop