《完》オフィスでとびきりの夜を
自虐ぎみに笑うと、圭輔は
しばらく考えてるふう
だったけど、やがて言葉を
探しながら丁寧にこう言った。
「情けなくなんかないよ。
けど、心が見えないのは
当たり前じゃないか。
恋人だろうが家族だろうが
自分とは別の人間なんだ。
ぶつかってかなきゃ、それ
以上の理解なんてできっこ
ないだろ」
「圭輔…………」
―――そうだね。
きっと、圭輔の言う通りだ。
「ぶつからなきゃ、
ダメなんだよね――…」
たとえその先の結果が怖くても。
進まなきゃ、あたしはいつ
までも宙ぶらりんなまま――。
(瑞樹…………)
心の中でその姿を思い出し
名前を呼ぶと、キュッと
胸が痛んだ。
しばらく考えてるふう
だったけど、やがて言葉を
探しながら丁寧にこう言った。
「情けなくなんかないよ。
けど、心が見えないのは
当たり前じゃないか。
恋人だろうが家族だろうが
自分とは別の人間なんだ。
ぶつかってかなきゃ、それ
以上の理解なんてできっこ
ないだろ」
「圭輔…………」
―――そうだね。
きっと、圭輔の言う通りだ。
「ぶつからなきゃ、
ダメなんだよね――…」
たとえその先の結果が怖くても。
進まなきゃ、あたしはいつ
までも宙ぶらりんなまま――。
(瑞樹…………)
心の中でその姿を思い出し
名前を呼ぶと、キュッと
胸が痛んだ。