《完》オフィスでとびきりの夜を
沙織さんは見た感じ
ここにはいない。
あたしの疑問に気づいて、
アヤが説明してくれた。
「沙織さんは、藤倉課長と
一緒に瑞樹クンの楽屋に
行ってますー。
けど今日は課長が瑞樹
クンに付き添うから、後で
こっちに合流するって」
「そっか、ありがと」
何気ない声を装いながら、
チクッと胸がうずく。
(そっか……課長が
付き添うんだ……)
上司だし瑞樹をモデルに
任命した張本人だし、
当然と言えば当然かも
しれないけど。
だけどやっぱり、その
状況はどうしても嫌な
想像を掻き立てる……。
(――ダメダメ、そんな
ことで弱気になっててどう
するのよ)
ここにはいない。
あたしの疑問に気づいて、
アヤが説明してくれた。
「沙織さんは、藤倉課長と
一緒に瑞樹クンの楽屋に
行ってますー。
けど今日は課長が瑞樹
クンに付き添うから、後で
こっちに合流するって」
「そっか、ありがと」
何気ない声を装いながら、
チクッと胸がうずく。
(そっか……課長が
付き添うんだ……)
上司だし瑞樹をモデルに
任命した張本人だし、
当然と言えば当然かも
しれないけど。
だけどやっぱり、その
状況はどうしても嫌な
想像を掻き立てる……。
(――ダメダメ、そんな
ことで弱気になっててどう
するのよ)