《完》オフィスでとびきりの夜を
あたしはみんなにバレない
ように、コソッと小さく
首を振った。
今日は撮影を見て……
そしてそれが終わったら、
瑞樹に声をかけて話を
しようって決めてる。
それで、ちゃんと全部
伝えて、聞くんだ。
モデルのことも、課長の
噂――課長と瑞樹の関係の
ことも……。
(まだ何もしちゃいないのよ。
しっかりしなきゃ、莉央!)
自分で自分を叱咤して、
あたしは後ろ向きな想像を
追い払った。
とその時、パタパタと
軽快な足音をさせて通路の
向こうから沙織さんが
小走りにやって来る。
沙織さんはあたしに気づくと、
「あ、おはよー莉央」
ように、コソッと小さく
首を振った。
今日は撮影を見て……
そしてそれが終わったら、
瑞樹に声をかけて話を
しようって決めてる。
それで、ちゃんと全部
伝えて、聞くんだ。
モデルのことも、課長の
噂――課長と瑞樹の関係の
ことも……。
(まだ何もしちゃいないのよ。
しっかりしなきゃ、莉央!)
自分で自分を叱咤して、
あたしは後ろ向きな想像を
追い払った。
とその時、パタパタと
軽快な足音をさせて通路の
向こうから沙織さんが
小走りにやって来る。
沙織さんはあたしに気づくと、
「あ、おはよー莉央」