《完》オフィスでとびきりの夜を
離れてた期間を埋めようと
するように求め合った。



これで本当にそれが
埋まったのかはわからない
けど――
でも、今のあたしは幸せだから。



だからもう、いいやって。



いつまでもクヨクヨ
しないで、これからは
未来を向いて進んで行けば
いいんだって。



―――なんとなく、そう思えた。




「やっとわかった。
莉央の気持ち」



あたしに右腕を貸して
天井を見つめたまま、
ポソリと瑞樹が言う。



『え?』と目だけで問い
返すと、瑞樹もチラッと
こっちを見てイタズラッ
ぽい笑みを浮かべて、



「莉央がどれだけオレの
ことを好きか。

あの感じ方見てたら、
イヤでもわかるよね」
< 243 / 276 >

この作品をシェア

pagetop