《完》オフィスでとびきりの夜を
「おまけに莉央もこっそり
桜井さんと話して、
楽しそうに笑ってたし」



「こっそりって、別に
そんなつもりじゃ……!」



たしかに二人きりで話を
したし、それに瑞樹は
知らないけど、圭輔には
あんなことを言われたけど。



でもそれはもう、あたしに
とって圭輔がただの
友達で、やましいこと
なんて何もないから。



もし少しでもそんなことが
あるなら、逆に二人で話を
したりなんかしない。



「圭輔とつき合ってたのは
高校生の時だよ。
もう8年も昔。

今のあたしには、子供の
頃のいい思い出だよ」



瑞樹にわかってほしくて、
あたしはガバッと体を
起こして勢い込んで話した。
< 246 / 276 >

この作品をシェア

pagetop