《完》オフィスでとびきりの夜を
そう……こんな話、瑞樹
だって飛びつかないわけない。



瑞樹はもう2日ほど前に
企画書を完成させて、
課長に提出してた。



だけどあたしはまだ少々
煮詰めが出来てなくて、
それでここ数日、毎晩自主
的に残業してるってわけ。



「気持ちはわかるけど、
根詰めすぎたってしょうが
ないだろ。

おまけに晩メシ抜きじゃ
体壊すよ」



「うぅ……だってぇ……」



イマイチ素直に頷く気に
ならないのは、今回は瑞樹
だってライバルだから。



(負けたくないんだよ……
瑞樹にも……!)



あたしのひそかな決意。



それをこのチャンスに、
かけてるんだから。
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