《完》オフィスでとびきりの夜を
そんなあたしの気持ちを
どこまで察してるのかは
わからないけど。



瑞樹はなかなか折れない
あたしをあきれたように
見て、勝手に袋から中身を
出し始めた。



ふたつのスープカップの
うち、片方をトンッと
あたしの机に置くと、



「とにかく、食べる!

誰もやめろとは
言ってないだろ。

これ食べたら、また
再開したらいいじゃん」



「え…………?」



ハッとしてカップから
瑞樹に視線を移すと、
瑞樹はすねまくった
ふくれっ面のまま、



「……大丈夫だよ。

お腹膨れて眠くなっても、
オレが起こしてあげるから」



「瑞樹―――…」
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