《完》オフィスでとびきりの夜を
「いただきます――」



プラスチックのフタを
とってスプーンで一口
口に運ぶと、本当に心も
体もポカポカしてくる気がした。



「どう、おいしい?」



「ウン。すっごく!」



正直お腹はペコペコだった。



あたしはさっきまでの
意地っ張りはどこへやら、
パクパクとかなりの勢いで
食べ始める。



自分でもゲンキンだなぁ
って思ってたら、案の定
瑞樹はププッと噴き出して、



「やっぱ相当お腹
減ってたんじゃん。

最初からムリしないで
食べてればいいのに」



「べ、別にムリしてたわけ
じゃないよっ」



「ハイハイ、わかったよ。

まぁとにかく、体力補給
したらあと一息頑張れそう?」
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