《完》オフィスでとびきりの夜を
「それは―――ウン」



っていうかこんな優しさ
見せられたら、意地でも
頑張らないわけにいかないし。



「それならよかった。

早く仕上げて時間作ってよね。

でないとオレ、かなりすねる」



あながち冗談にも聞こえ
ない口調でそう言うと、
瑞樹は自分もスープを
食べ始めた。



「おっ、おいしい!

やっぱ新作メニューのに
してよかったな♪」



「えっ、何? 

自分だけ新作なの?」



「ん? そうだけど。

莉央には、莉央のイチバン
好きなの買ってきたでしょ?」



「たしかにこれ大好きだけど……

新作って言われると、
それも気になる……」
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