《完》オフィスでとびきりの夜を
おどけた口調で言い
ながら、瑞樹はハハッと笑った。



誰もいなくなった静かな
オフィスで、二人きり。



秘密の時間、
秘密の関係だけど、でも。



瑞樹がここにいてくれて
よかったなって――今は
心から、そう思う。




この会社で出会えて、よかった。



あたし達はこれからも、
恋人同士だけど先輩と後輩で、
そしてよきライバルで。



こんなふうに支え合ったり
刺激し合ったりしながら、
これからもずっと傍に
いられたらいいな。



仕事でもプライベート
でも、遠慮したり逃げたり
しないで。



こんなふうに、
いつまでも――…。




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