《完》オフィスでとびきりの夜を
周りの何人かが軽く驚いて
あたしを見てたんで、



「……なんかノド渇いちゃった。

ちょっとジュース買ってくる」



とっさの思いつきでそう
言うと、あたしは財布を
持って部屋を出た。



(ちょうどいい。

ホントにジュースでも
飲んで、頭冷やさなきゃ……)



ここ数日のあたしは
どうかしてる。


……自分でもそんなことは
わかってるんだ。



瑞樹が女子にモテモテ
なのは前から。



あんなにカッコよくて
性格もいいうえに、
表向きはフリーって
ことになってるんだもん、
モテないわけがない。



課長だって独身の女の人だ。


社内のアイドル的存在の
瑞樹が部下になって気に
入ったとしたって、
おかしくないじゃない。
< 52 / 276 >

この作品をシェア

pagetop