《完》オフィスでとびきりの夜を
「………莉央さん?

どうしたの?」



突然耳に飛び込んできた
声と肩を叩かれる感触に、
あたしは心臓が止まり
そうなほど驚いて飛び上がる。



あまりの驚きに声も出ず、
強張った体でぎこちなく
顔をあげると――…。



「瑞樹――…!!」



テーブルの脇から覗き込む
ようにして目の前に
立ってたのは――他でも
ない、瑞樹だった。



(え……な、なんで瑞樹が
ここに……!?)



さっきまでの動揺もさめ
やらない状態でさらに混乱
して、あたしの頭は
ほとんどパニック状態。



それは表情にもしっかり
出ちゃってたんだろう。


あたしと目が合うと瑞樹は
ロコツに眉をひそめて、



「どうしたの、莉央さん。

大丈夫?」
< 60 / 276 >

この作品をシェア

pagetop