《完》オフィスでとびきりの夜を
「え? あ………」



大丈夫って、何に対しての?



わかんないけど……YESか
NOで答えるなら、あたしは
ちっとも大丈夫なんかじゃ
ないんだろうな。



状況も飲み込めなきゃ頭も
まわってなくて、態度は
完全に普通を装うことすら
できない。



「ど、どうして……
瑞樹が、ここに……?」



上ずる声でつぶやいた
あたしに、瑞樹はさらに
眉間にシワを寄せた。



そして戸惑いと心配を
隠さない声で即答する。



「ジュース買いに行った
まま戻らないって聞いた
から、様子見に来たんだよ。

なんかあったのかと思って――」



「あ――ゴ、ゴメン……!」
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