《完》オフィスでとびきりの夜を
ただの仕事仲間のふり
しながらでも、瑞樹は
こんなに優しいのに。
それなのにあたしは課長の
ことで取り乱してばっかり。
なんかどんどん、自分が
情けなくなってくる。
俯いてしまったあたしに、
瑞樹は飲み物を買いながら
極力何気ない声で言った。
「“ゴメン”はもういいけど。
ホントどうしたの?
莉央さんらしくない。
なんか仕事行き詰まった?」
「ううん……そんなのじゃ……」
そんなのじゃない。
だけど……瑞樹には
言えないよ。ホントのこと
なんて……。
「ちょっと気分が悪く
なっただけ。
それで休んでたのよ」
結局あたしは、そう嘘をついた。
しながらでも、瑞樹は
こんなに優しいのに。
それなのにあたしは課長の
ことで取り乱してばっかり。
なんかどんどん、自分が
情けなくなってくる。
俯いてしまったあたしに、
瑞樹は飲み物を買いながら
極力何気ない声で言った。
「“ゴメン”はもういいけど。
ホントどうしたの?
莉央さんらしくない。
なんか仕事行き詰まった?」
「ううん……そんなのじゃ……」
そんなのじゃない。
だけど……瑞樹には
言えないよ。ホントのこと
なんて……。
「ちょっと気分が悪く
なっただけ。
それで休んでたのよ」
結局あたしは、そう嘘をついた。