《完》オフィスでとびきりの夜を
「あたしと……?」



ドクンと胸が跳ねた。

なんだか心臓の血が沸騰
しちゃってるような錯覚を
覚える。



「そうだよ。

莉央が――不安そうだったから。

あの時、心配でしょうが
ないって顔でオレを見てた
から……」



「―――――!」



とっさになんて答えて
いいかはわからなかった。



不安? 心配?


―――その通りだよ。



だって……平静でいられる?




瑞樹がモデルになる。



雑誌や店頭にポスターや
広告として顔が出るんだよ?



当然名前も出ることに
なるかもしれない。



自社広告とはいえ世間に、
メディアに露出すること
にはかわりない。



しかも発案者は、あの
藤倉課長で……。
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