《完》オフィスでとびきりの夜を
(そうだ……。

あたし、怖いんだ――…)



瑞樹が変わってしまうかも
しれないのが。



そのことであたし達の
関係に変化か生じてしまう
かもしれないのが……

不安で、怖くて仕方ない。




変わるかどうかもわからない。


どんな形であたし達に
影響するのかもわからない。



だけどあの藤倉課長に
ついてくように、瑞樹が
新しい道を歩き出したら。



それはきっと、あたし達の
距離を遠ざける――そう、
あたしだけがポツンとその
場に取り残されるような……

先に待ってるのは、そんな
未来のような気がして。




「……ど…して?

どうして、そんなこと言うの?」



胸の内の思いは秘めた
まま、気づくとあたしは
そんなことを言ってた。
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