バレンタインなのに。
何が起こったのか、
それに対し彼はどうしたのか。
見ていないから、
そんな事は俺は知らないけれど、
戻ってきた彼の授業中の態度は
それはもう、酷いものだった。
浮かれすぎていて。
次の休み時間、彼はずっと笑っていた。
誰が話しかけても、上の空。
とても幸せそうで何よりだ。
「今日さ、中森さんと一緒に帰るから!」
そう言って、彼はまた俺を残して教室から出た。
おい、友情はどうした。
まあ、今日俺は掃除当番だし、別にいいんだけど。
教室の窓から、校門を出て行く2人の姿が見える。
……幸せそうな顔しやがって。
アイツの鞄の中に、
にぼしがちらばりますように!