バレンタインなのに。

「なあ、佐々倉」

「なんだ?」

食べ終わり、一息ついたらしい彼が俺の名前を呼んだ。


「友だちってさ、いいよね」

「そうだな」

「俺さ、もう友情に生きるよ」

「ああ、俺もそうするよ」


そう答えると、俯き加減だった彼は俺の顔を見上げ、
彼の顔色を伺っていた俺と、必然的に見つめ合う事になる。


そしてそのまま、数秒停止。



「……俺とずっと友だちでいてくれるか?」


そう問われ、もちろんだ。と答えようと口を開いた
まさにその瞬間――
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