甘い疑惑の王子様

それと同時に
教室に響いた私を呼ぶ声に振り向いた。


『シンちゃん？』


「はい、登場～♪」


由利ちゃんはそう言って
教室から出ていった。


登場って？
どおゆうこと？


「真奈美、ちょっと来いよ」

『え？なっなに！？』

「いーから！」



物凄い迫力で怒ったような顔をして
私の腕を掴み引っ張られた。


その光景を見て私よりも
周りの皆が驚いただろう。



あのシンちゃんが
学校で見せない顔で居るのだから…



何をそんなに怒ってるの？

私…何かした？


引っ張られながら
私の頭の中は疑問だらけ。


人気のない階段に来た所で
シンちゃんが足を止めた。