甘い疑惑の王子様
Chapter 4
Despair
私の最高の誕生日を終えてから
もう1週間。
あの日
梨子も涼も
最高の持て成しをしてくれて
私はまた泣いた。
そしてまた
変わらない日々が過ぎて行く。
「ねぇ真奈美?」
「なぁに?」
私が帰り支度をしていると
私の机の上に肘をつきながら
由利ちゃんが話しかけてきた。
「…王子はもういいの?」
由利ちゃんのその言葉で
動かしていた手が止まる。
忘れてたわけじゃない…
ずっと会いたいと思ってた。
でもやっぱり……
「…うん!いいの♪」
所詮違う世界の人だったんだ。
もう忘れよう。
夢だったと思えば
簡単じゃん。