甘い疑惑の王子様
シンちゃんに迷惑だから
何度も突き放したけど
それでも傍に居てくれる。
――小さい頃
おとぎ話の絵本を一緒に読んだ。
あの頃信じていた世界を
未来に託した小さな私。
今でも覚えてる。
「僕が王子様で真奈美ちゃんがお姫様だね♪」
『私お姫様になれる?』
「女の子だからなれるよ!」
純粋な私は絵本に見ていた
あの世界を信じていた。
キラキラした世界が
大人になった私の世界だと思っていた。
でも現実は……
私はおとぎ話の世界のお姫様には
程遠い女の子だった。
理想と現実はこんなにも違った。