甘い疑惑の王子様
私はシンちゃんの隣に腰を下ろした。
リビングにテレビの音が響く。
シンちゃん……
私はダメかもしれない。
こんな生活も二年になるけれど
私に母親の代わりなんて……
『シンち「言うな」』
私が言葉を発すると
それを遮ったシンちゃんの言葉。
「俺が居る。お前は大丈夫だから不安になんな。」
『シ…ンちゃん』
シンちゃんの顔は
テレビの方に向いているけれど
その言葉は真っ直ぐに私に届いた。
不思議だね…
シンちゃんの言葉は
私に自信をくれる。
挫けそうな時も
シンちゃんが言えば
信じられる事ばかりだよ。