甘い疑惑の王子様
『ありがと…』
シンちゃんは何も言わずに
私の頭を優しく撫でた。
しばらく二人で
テレビを見ていると
シンちゃんが口を開いた。
「それにしても、梨子の奴おっせぇな」
シンちゃんが時計に目をやる。
『もう九時半か…帰って来てもいい頃なんだけどな』
心配しているうちに
涼がお風呂から出てきた。
「信也にぃちゃん!今日お泊まりしないの?」
『こらっ迷惑かけないの』
パンツ一枚で出てきた涼は
シンちゃんの腕をグイグイ引っ張る。