甘い疑惑の王子様
「別に頼んでないし、余計なお世話」
「ふざけんなよ?お前が今までやってこれたのは他でもねぇ真奈美のおかげだろーがよっ!」
シンちゃんがこれ以上にないくらい
真剣な顔で梨子を見つめる。
「……だからって母親になれるわけじゃないじゃん!!こっちはおままごとに付き合ってんじゃないんだからっ!」
―――パシッ!
リビングに酷い音が響いた。
「…っ…ま…」
驚いた顔で頬を抑える梨子は
自分の身に起きた事を
信じられないようだった。
「…真奈美!?」
驚いたように声を上げるシンちゃん。
私……
妹を殴った。