甘い疑惑の王子様
Family ties
頭が破裂しそうなくらい
私の小さな頭はパンパンだった。
進む足取りも
考えればどこに向かっているのか……
行く場所なんてないのに。
涼は大丈夫だろうか…
ふと頭に涼の笑顔が浮かぶ。
進む足取りも遅くなっていき
気付けば足を止めていた。
『…涼…』
溢れた名前を
拾うように私を呼ぶ声がした。
シンちゃんだった。
「…ハァ…真奈美っ!」
『付いて来ないで』
意地になると
歯止めが効かない心は口走る。
心配してくれてるのに
分かってるのに…