甘い疑惑の王子様
私の足が止まった。
『シンちゃん…ズルイ』
後ろに居るシンちゃんの顔は
伺えないけど……
どんな顔してるか
私には分かるよ。
『少しは我が儘くらい言わせてよ…』
「ん?どんな?」
『…もっと遊びたいの』
「それで?」
『放課後由利ちゃん達と帰ったり…ゆっくりお喋りしたり……』
「うん」
『女子高生らしくない買い物なんか行きたくない…』
「それだけ?」
次々と飛び出す言葉。
『…っ母親の代わりなんてできないよ!』
止まらない思いを
一気にシンちゃんにぶつけた。