甘い疑惑の王子様
私に抱きつくと
梨子は子供のように泣いた。
今まで強がってたの
分かってる。
姉妹だから分かるよ。
梨子の震える肩を抱き締めながら
思いがしっかり伝わってきた。
涼は嬉しそうにして
何も言わずに見守ってくれていた。
この日
私達は空いていた時間を
埋めるように話し尽くした。
涼と梨子と私。
親が家に居なくても
三人なら支え合ってやってける。
そう確信した。
そして私も
弱い自分とさよならをして
この子達を支えようと
意思を強く固めた。