甘い疑惑の王子様
Chapter 2
Chance meeting
窓の外は
大粒の雨が降り注いでいる。
梅雨の季節がきた。
「雨やだぁ~」
頬杖をつきながら
口を尖らせる由利ちゃん。
『本当だよ…洗濯物干せなくて困ってんだからぁ』
ため息混じりに
空に向かって文句を言った。
「何それっおばさんかっ!」
『え?』
由利ちゃんが私に
突っ込みを入れる。
だって…
洗濯物溜まってしょうがないよ…
全然女子高生らしくないセリフ。
自分でもたまに本業を忘れてしまうくらい。
教室の中を見渡せば
皆同じように浮かない顔をしている。
雨って嫌われ者だなぁ。