甘い疑惑の王子様
いつもの事
いつもの事
見慣れたその光景に
呆れながら終わるまで
やり過ごす。
しばらくすると
二人の言葉がなくなり
やっと終わったのかと思った。
「ちょっと真奈美!!暢気に広告なんか見てんじゃないわよっ!」
「真奈美!!お前もコイツに何か言ってやれよ!」
……えっ…?
私にきたか……
見ていた広告をまたもや
由利ちゃんに取られ
二人の言葉が上から降ってきた。
思わず出るため息と共に
仕方なく言葉を発した。
『シンちゃん、充君来てる?』
「―――っ!!?」
由利ちゃんの顔が動揺したのが
分かった。