甘い疑惑の王子様
学校から飛び出して
数分たった。
そうそう
今日は大事な日。
早く…早く…
息を切らしながらも
私の足は速度を落とさない。
「真奈美ちゃん~!」
目の前に小さい人陰が
手を振っているのが見えてきた。
『吉野さん!』
その人が吉野さんだと確認できる距離まできた時、私は速度を落とした。
「まだ大丈夫よっ!後一分くらいで始まるわ」
『ハァハァ……よか…った』
目的の場所に到着し
私は呼吸を整えた。