甘い疑惑の王子様
私が嫌いなのは知ってる。
東城さんの好きものは
昔からシンちゃんだけ。
だから私と親しくするのが
許せないんでしょ?
でも、私は昔から
あなたが羨ましかった―――
「随分と強気な態度なのね」
『女の子はいっぱいいるじゃん。私だけじゃないよ?』
笑っているのに目が笑っていない
東城さんの顔が冷たく感じる。
「ちょっとあんた何様!?紗耶香さんにそんな態度でいいと思ってんの!?」
東城さんの隣から髪を巻いた子が
怖い顔をしながら凄んできた。
思ってないけど
ちょっとムカついちゃったんだ。
あなたは沢山の物を手にしているのに
それでもまた何かを手にする。
私の大切な人までも………