甘い疑惑の王子様
You fairy tale
最初は目の前の車を見て
乗ってと言った彼に危機感を感じた。
でもあまりにも優しい顔で笑うから
その危機感はすぐに消えた。
「家どこ?送るよ」
送るって……
そんな滅相もない。
『いっいいです!そんな…』
彼の品の良さからすぐに悟る事ができたがまさか車まであるとは……
少し驚いた。
「遠慮しないで。でも君制服だけど…」
途中まで言った彼は
車の中に付いているデジタル時計を見た。
私はそれを見ると
何か言われる気がして顔を俯かせた。