甘い疑惑の王子様
まるでおとぎ話の世界から
飛び出してきたような世界。
あの頃…
夢に見ていた世界が
今目の前に広がっているようだった。
私達が会話をしていると
ドアのノック音が聞こえ
運転席に居た男の人が
顔を覗かせた。
「準備できた?」
その姿を見て
雅之さんは男の人に言葉を発した。
「それが……」
「なに?」
男の人は申し訳なさそうに
顔を曇らせた。
「雅之!!!」
すると見えなかった人が
勢いよく部屋に入って来た。
黒いスーツを着て
いかにも偉そうな感じの男の人。
でもどこか彼に似ている。
もしかして……