甘い疑惑の王子様
「とにかく信也の周りの女には気を付けないと」
『うん…ありがと』
シンちゃんは
私に何があったか知らない。
由利ちゃんにしつこく聞き寄ってきたらしいけど、誤魔化してくれたみたい。
でもシンちゃんには
何も言わなくても分かってるはず
昔から私が突然居なくなると
何かとシンちゃんの周りの子が関係してたから。
今回も分かってて
近づかないようにしてくれてるんだよね。
「そんで?また王子の事考えてたの?」
『え!?』
由利ちゃんはいつもそればっかり。
ちゃんと名前教えたのに
王子、王子って……
「絶対運命だよね」
『またそんなこと言って…』
あの出会いが運命だとしたら
私達はまた会えるのかな……