甘い疑惑の王子様


涼が帰宅して
いつものように夕飯を三人で食べた。


涼はシンちゃんが来なくなってから
あまり元気がない。


分かっていても
シンちゃんの行為を無駄にはできない。



―――ピンポーン


夕飯を食べ終わり
食器を片付けていると
インターホンの音が響いた。



「僕でるっ!!」


涼は嬉しそうに玄関へ飛んで行く。

私もその後を追った。



―――シンちゃん


「信也にぃちゃん!!」


玄関を開けると同時に
シンちゃんの姿を確認すると
涼は嬉しそうに飛び付いた。


「よぉ」


何事もなかったように
いつもの笑顔で涼を抱き上げるシンちゃん。



まともに会うのは
三週間振りだ。



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