Diary
ブザーがなり、予告が始まる。
そういえば久しぶりの映画館だった事を思い出し、みな子の心は踊った。
暗闇の中、平日の遅い時間の為そこまで混んでいなかった。
ポップコーンを間に置き、取ろうとすると手が触れた。
気にせずがつがつ食べてスクリーンを観ていると今度は確実に手を握ってきた。
すぐさま大矢の方へ顔を向けると
「塩だらけ。」
と笑いながら掃ってくれた。
そして何事もなく手を離し、スクリーンを観ていたのでみな子も気にしなかった。