俺はお前だけの王子さま
てか、だいたい…


そもそも俺がここまでする意味も、最初からわからねぇし。


うざい桂に
これ以上付き合いきれねぇよ…



無言で職員室を出て
ひたひたと静かな廊下を歩く。


もう…終わりだ終わり。

すげぇ骨折り損。

馬鹿らしい

やってらんねぇ…



下駄箱から乱暴に靴を出す。


靴はすっかり濡れていて
さわった右手が濡れた。


気持ちわり…


すぐに靴をはく気になれず


そのまま俺は
下駄箱にもたれかかった。


なんか疲れた…

だりぃ…



ふと視線を横にやると


そこはあの日
渡瀬が土下座をしかけた場所だった。



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