俺はお前だけの王子さま

差別

桂は頭を下げる俺を舐めるように見た。


「ふん、やっと立場を理解したか」


そしてまた珈琲に手を伸ばす。


「だいたいお前は普段から態度が悪すぎるんだ。」


「…………」


「親に金があって顔が良くて…何様か知らんが調子に乗るのも大概にしろ」


俺は頭を下げながら


汚い音を立てて珈琲をすする桂の足元を睨んでいた。


殴りたい衝動を押し殺す。


「……渡瀬は修学旅行行けるんすか?」


頭を下げながら聞く。


「…………」


桂は答えない。




くそ………

やっぱり
本当に無理なのかよ…


渡瀬の顔と同時に渡瀬母の安堵の顔も浮かぶ。


今さら…

なんて説明すんだよ…








俺のせいだ――…







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