俺はお前だけの王子さま
本当に、もう駄目か…


そう思った時だった。





「俺からもお願いします」


俺の後ろから声がした。

…は?


俺が頭を上げて振り返ると…



徳井が立っていた。


部活の後なのか
大きなカバンと汗で濡れた髪。


「手続きで必要なこと、お手伝いできる事があれば俺します。それでも…間に合わないでしょうか?」


そう言って
綺麗に頭を下げる徳井。



桂は徳井を見て明らかに目付きが変わった。


「うむ。ギリギリだが渡瀬1人だし…間に合うとは思う。」


!?

俺は桂を見た。


桂は俺を透かすように
後ろの徳井を見る。


「教師としても、生徒はなるべく参加させてやりたいしな」


教師らしく微笑む桂。



徳井は頭を上げた。


「そうですか。良かったです!さすが…学年主任の桂先生ですね」


徳井の安堵の表情に
桂は、はははと笑う。







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