俺はお前だけの王子さま
私は茶封筒を取り出して
桂先生に渡した。


「あの…ギリギリで本当に申し訳ありません」


桂先生は私から茶封筒を受け取った。


「いや、家庭の事情とは聞いていたが参加できるようになって良かったな。」


快く受け止めてくれる桂先生に胸を撫で下ろす。


「はい。ありがとうございます」


私はもう一度頭を下げた。


そんな私に桂先生は
思い出すように言った。


「そうだ。徳井君にも礼をした方が良い。昨日遅くにわざわざ私を説得しに来たんだから」


「…え?」


顔をあげる私に桂先生は微笑んだ。



「まさに類は友を呼ぶ…だな。
全く良い友達を持ったな。」



< 115 / 558 >

この作品をシェア

pagetop