俺はお前だけの王子さま
アナウンスが流れシートベルト着用のランプが消えた。


「わぁっ雲が見える!」


渡瀬のはしゃぐ声。


渡瀬は小さな窓にへばりついて外を見ている。


そんな渡瀬の背中すら
俺はまともに見れなくなっていた。


“王子君のしてくれたことちゃんと知ってるから”


それってつまり
親んとこ行ったりしたことだよな?


「…………」


まじかよ


俺は顔を隠すように
片手を顔に当てた。


別に…バレなくても良かった。


ダサいし。





のはずだったんだけど…


なんだ?


嬉しさが半端ない






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