俺はお前だけの王子さま
真剣な渡瀬の言い方に
空気がピリッと変わった。


ジンギスカンが焼ける音と
周りのにぎやかな笑い声の中…


静まる俺の班。



「…まぁまぁ~好き嫌いぐらいはあるって」


沈黙を破るようにあえて軽く
笑いながら言うヒロキ。


「嫌いだとしてもその言い方は…」


「まぁ美味しく食べよ?」


夏木も困ったような笑顔で
止めに入った。



そんな様子を見ていた
隣の班の女子が


「私もラム肉嫌い~。王子君、渡瀬さんたち感じ悪いなら私たちと食べない?」


視線をちらりと、渡瀬に向けて俺に腕を絡めた。


香水の匂いが鼻につく。




渡瀬の顔が赤くなった。


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